栗と桜井家
桜井甘精堂 200年のあゆみ 小布施の栗の歴史は、今からおよそ六百年前の室町時代に始まるといわれています。
当時、この地方の領主だった荻野常倫が故郷、丹波国から栗をとりよせて植えたのが始まりと伝えられています。小布施の土壌が栗の育成に適していたため、江戸時代にはすでにうっそうとした栗林が広がっていたということです。小布施栗は品質がよく美味ということで、松代藩が毎年秋に将軍家に献上する習わしとなり、その名を天下に広めたといわれています。
この栗を用いて初めて菓子を作ったのが初祖・桜井幾右衛門でした。
栗を粉にひいて作りあげたのが「栗落雁」。文化5年(1808)のことでした。画期的な「栗落雁」の創製によって、二百年にわたる伝統を誇る栗菓子づくりがスタートしたのです。
1808(文化5年)桜井幾右衛門が小布施で初めて「栗落雁」を創製。 江戸で名声を得た小林一茶は、故郷・信州に帰り、小布施で盛んに句会を開き始めた文化五年。
この地の桜井幾右衛門は、その年、初めて栗菓子「栗落雁」を創った。これが弊堂の始まりであり、小布施栗菓子の始まりでした。
1820(文政3年) 松代藩が将軍家に献上し、小布施栗が天下に広まる。
1865(元治2年) 京都伏見宮家から裏菊御紋章付の栗落雁の調製を拝命。
栗落雁衝立栗落雁衝立
1819(文政2年)幾右衛門の弟、武右衛門が「栗ようかん」を創製。 北斎が名画「富嶽三十六景」を世に出し、江戸で活躍していた文政二年。
弊堂の初祖・幾右衛門の弟・桜井武右衛門は、他に類を見ない栗だけの「純 栗ようかん」を創製した。
1908(明治41年) 「純 栗ようかん」を全国共進会に出品。全国的に知名度を高める。
1919(大正8年) 六代桜井佐七、「栗ようかん」をブリキ缶に納めることに成功。
栗ようかん栗ようかん 栗ようかんのブリキ缶納め栗ようかんのブリキ缶納め
1892(明治25年)五代目(初代桜井佐七)が「栗かのこ」を創製。 島崎藤村が小諸で教鞭を取り、小説家としても「千曲川のスケッチ」を書き始めた明治二十五年。
五代桜井佐七は、栗と栗あんだけの「純 栗かの子」を創製した。
1941(昭和16年) 太平洋戦争により良質の砂糖が出回るまで栗菓子の製造を中止する。
栗かの子栗かの子 かの子詰めかの子詰め
1964(昭和39年)株式会社桜井甘精堂となる。 戦後、栗菓子の製造を再開。
社名は桜井甘精堂となり、「純 栗もなか」「善光寺落雁」を新発売。
1949(昭和24年) 戦争により一時休業していた栗菓子の製造を再開。
1954(昭和29年) 有限会社桜井佐七商店登録。
1966(昭和41年) 名工種兵の協力を得て、季節商品「純栗もなか」を創製。
1970(昭和45年) 善光寺公許第一号「善光寺落雁」を発表。
栗かの子づくり栗かの子づくり 1970年代初期の本店(現在は栗の木テラス)1970年代初期の本店(現在は栗の木テラス)
1981年(昭和56年)六代の後を継ぎ、七代桜井佐七が社長に就任。 直営店や新商品の充実をはかった。
1977(昭和52年) 長野市大門町に直売所「大門店」開店。
1978(昭和53年) 長野市西後町に、「長野中央店」開店。
1980(昭和55年) 「ひとくち栗かの子」発売。長野駅前に、「駅前店」開店。
1983(昭和58年) 小布施町北斎館横に、「逢瀬店」開店。
1984(昭和59年) 「ひとくち栗ようかん」発売。
1985(昭和60年) 栗の木ブランドとして、「栗の渋皮煮」「栗ペースト」「栗みつ」「マロンシュークリーム」
「マロンフィナンシェ」発売。「長野駅ビル店旧MIDORI地階」開店。
1986(昭和61年) 季節商品「栗水ようかん」創製。
1987(昭和62年) 和三盆を使用した落雁「花逢瀬」を創製。
旧パッケージ旧パッケージ 大門店(長野市大門町)大門店(長野市大門町) 長野中央店(長野市西後町)長野中央店(長野市西後町) 長野駅ビル店旧MIDORI地階長野駅ビル店旧MIDORI地階
1988(昭和63年)新「本店(泉石亭)」開店。「栗の木美術館」を併設。 小布施中町に、食事処を備えた、新「本店(泉石亭)」を開店。
新商品の販売や「栗の木テラス」開店など直営店もいっそう充実。
1992(平成4年) 軽井沢町旧軽・三笠通りに「軽井沢店」開店。花逢瀬の姉妹品として「花逢瀬・ひとひら」を創製。
1994(平成6年) 「純 栗かの子ようかん」を創製。「マロンパイ」を発売。「逢瀬店」を全面改築し、「北斎亭」と改名。
1997(平成9年) 善光寺御開帳参拝記念「善光寺落雁」を発売。旧本店を全面改築し、「栗の木テラス」として開店。
2002(平成14年) 長野市南千歳に新「長野店」開店。「栗の木テラス」を併設。
2003(平成15年) 「小布施浪漫」発売。季節商品「水ようかん(栗・小豆)」を創製。
本店(泉石亭)本店(泉石亭) 栗の木美術館栗の木美術館
2004(平成16年)小布施町栗ヶ岡に新本社と工場完成。 創業二百年を記念して小布施栗が丘に、衛生的で機能的な新本社工場を完成。
2007(平成19年) 桜井英樹、社長就任。七代・桜井佐七は会長に。
2008(平成20年) 創業200周年を迎える。一年を通じて、記念行事開催。公募した「栗の木エッセー賞」に全国からの応募者があり、反響を呼ぶ。
新本社と工場新本社と工場
2009年(平成21年)新「本店」開店、新商品発売。 小布施中町に、菓子販売の新「本店」を開店。新商品の「栗どらやき」を発売。
2010年(平成22年) 「カフェ茶蔵」を開店。新商品「栗アイス小布施」発売。桜井昌季、社長就任。
2011年(平成23年) 「くりまんじゅう」、「くりあげまんじゅう」発売。「新軽井沢店」を開店。
商品パッケージを変更。
2012年(平成24年) 「メロウクッキー」、「味わい冷凍栗おこわ」発売。
くりまんじゅうくりまんじゅう 味わい冷凍栗おこわ味わい冷凍栗おこわ
2014年(平成26年)「ながの東急店」開店。 ながの東急百貨店地階・食品フロアに桜井甘精堂の和菓子+栗の木テラスのミニショップが開店。
2012年(平成24年) マカロン発売。第一回「栗だめしの会」開催。六斎舎オープン。
2013年(平成25年) ふろしきや幾右衛門オープン。美菓月発売。泉石亭リニューアルオープン。
ながの東急店ながの東急店 マカロンマカロン 美菓月美菓月 泉石亭泉石亭
2015年(平成27年)「MIDORI長野店」開店 北陸新幹線金沢延伸で開業した新・長野駅ビルに甘味屋幾右衛門を併設した「MIDORI長野店」が開店。
2015年(平成27年) サクサクサンド「しあわせマロン」発売(11月)。
2016年(平成28年) 焼菓子4種類の個包装デザインを刷新し、「小布施浪漫」シリーズとして発売。(7月)
2016年(平成28年) サクサクサンド「おもいでブルーベリー」発売(9月)。
2017年(平成29年) 栗ペースト「小びん」「スティック」タイプ発売(9月)。
甘味処 甘味屋幾右衛門甘味処 甘味屋幾右衛門 MIDORI長野店MIDORI長野店
2017年(平成29年) しなの鉄道軽井沢駅旧駅舎口に茶菓幾右衛門を開店(10月)。
2018年(平成30年) 同駅3階に軽井沢駅店を開店(3月)。
※現在閉店
2019年(平成31年)栗ようかん200年。 文政2年に桜井武右衛門が創製した純栗ようかんが200年を迎える。5月、元号が「令和」となる。