栗の木通信

栗の木エッセー作品紹介

2009年06月04日

[栗の木エッセー賞]

昨年春に募集した「栗の木エッセー」ですが、今年に入り何通かのご応募が届きました。

ご応募いただきましたこと、大変嬉しい限りです。
またこの場で順に掲載したいと思いますので、是非ご覧下さい。


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「お菓子のある暮らし」
                          千葉県 田中 貞子 様


 私とお菓子の出会いは、小学生低学年の頃です。
お正月に神社から頂いてくる護符と一緒に配られた3センチ四方ぐらいの小さならくがんでした。
風邪を引かないようにと、母が小さくちぎり、家族全員で食したものです。
又、小学生の頃は、甘い物がほとんどなく、近所の御祝い事の引出物の中に、鯛の形を模った大きならくがんがありました。それが唯一、たまにあるお菓子でした。
 こんな出会いから、大人になっても、時々思い出しては、食べたくなります。
彼岸などに仏様にお供えするピンク色をした、ハスの花びらや、緑色をした葉っぱのらくがんを見ると、幼い頃の記憶が蘇ります。これらは、お供えするという事もありますので、食する目的で、買う事はまだありません。
 そんな時、会社の同僚が、佐久の帰省のおみやげに栗のらくがんを持って来ました。
一つ頂いた時、おもわず『おいしい!』と口から出たのです。
それは、口の中で栗の香りがパァーッと広がったのです。
幼い頃食べたのは、香りがなかったので、思わず口をついて出たのでしょう。
そして、何よりも固いので、しばらく口の中で、楽しめるからです。
『そう。いっぱい食べて。』と、その同僚は、内緒でらくがんをたくさんくれました。
 今の若い人は、らくがんは地味で、あまり好きではないかも知れませんが、年をとるに連れ、『主食は洋風よりも和風よね。洋菓子よりも和菓子よね。』と、自分の中で、食の変化が起きています。でもたまには、ケーキやチョコも食べたくなります。
ますます、年齢を重なる度に、私の中では、神社から始まったお菓子という事もあり、日本の古来からあるような、不思議な気がして、55歳になった今でも、らくがんに魅かれます。


※現在、弊堂の落雁は良質の国内産「赤えんどう」を使用しております。

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