栗の木エッセー作品紹介
2009年05月14日
昨年春に募集した「栗の木エッセー」ですが、今年に入り何通かのご応募が届きました。
ご応募いただきましたこと、大変嬉しい限りです。
またこの場で順に掲載したいと思いますので、是非ご覧下さい。
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「水曜日のお茶会」
東京都 小泉清恵 様
寿退社した友人がもうそろそろ落ち着く頃合と見て、親しくしていた同僚三人を誘って新居を訪問することになった。
私たちは「お菓子友達」、という言い方があるのならまさしくそれで、仕事の帰りにお菓子を食べに寄り道したものだった。メンバーに主婦がいて、彼女は食事をして帰ることができなかったので、お菓子の食べ歩きになったわけだ。毎週水曜日一時間程度で、お茶を飲みながら色々なことを話し合ったっけ。同僚の結婚を知った時は心から祝福すると同時に、退社してしまうことがやっぱり寂しかった。そしてもちろん水曜日のお菓子友達がひとり減ってしまうことも。
綺羅綺羅した陶磁器のような洋菓子を選ぶ時の幸せな気持ち。和菓子の、素材が持っている繊細な味を教えてくれたのもお菓子友達だった。
水曜日のお茶会はずいぶん長い間続いた。会社の中では話しにくいことや、その時々にテレビニュースで流れた事件のこと、ごくたまに真剣な話題。一番大事なのは、その日にあったヘコむ出来事を他のみんなに聞いてもらうこと。どんな話題でもお菓子があると、不思議に落ち着いて話せたものだ。
新米主婦への手土産にはどんなお菓子を買っていこうか、友人たちと話し合う。結婚のお祝いを提げて、お菓子を持って訪ねて行こう。
そして今私が思うことは…。顔ぶれは変わってゆくかもしれないが、水曜日のお茶会はずっと続けてゆきたいということ。お菓子は至福の時を提供してくれると思うから。


