栗の木通信

栗の木エッセー作品12

2008年12月22日

[栗の木エッセー賞]

本年春に創業二百年を記念して募集しました「栗の木エッセー賞」のご応募総数830編のうち、計13作品を連載でご紹介いたします。
独自に持つ「お菓子」への思いがたくさん詰まっています。
どうぞご覧下さい。


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お菓子と世界
             岐阜県 岡田実 様


 ウクライナ船籍の「オリビア」に乗船して、神戸港から出港し、世界一周の船旅をしたが、104日間の旅程になっていて、船上生活はさぞ退屈な日々が続くのだろう、と初めは予想していた。だがその予想は、初めての寄港地に到着した頃から、逆転した。毎日楽しいイベントや映画を見られて、満足した。
 午後三時には、毎日船尾の上甲板にある喫茶コーナーで、コーヒーか紅茶を飲みながら好きなお菓子を食べることができた。
 乗船客は千人に近く、船室を一歩出れば、それらの人々と接する様になっている毎日。たくさんの船友が出来た。午後三時になるとみんなで誘い合って、喫茶室に集まる。
 海を眺め、美しい、珍しいお菓子を食べながら、いろんな人と、さまざまな話をして、時がたつのも忘れて、長い航海の日々をすごした。
 喫茶コーナーには、一日も欠かさず通い、コーヒーとお菓子を楽しんだ。
 船内のレストランは二ヶ所あり、どちらを選んでもいい事になっていた。
 夕食のディナーのあとのデザートにも、お菓子が出る時もあった。案外お菓子が好きな人は多い。酒が好きな人も、お菓子を食べる。
 私は甘党なので、珍しいお菓子をたくさん食べられることが、満足であった。
 レストランの夕食には、洋食と和食が交互に用意された。和菓子と洋菓子もデザートに替るがわる出された。和菓子の味には慣れているが、洋菓子には珍しいのが多い。だが度々食べているうちに、その洋菓子の旨さがわかるようになった。
 アフリカ、ヨーロッパ、北欧、中国とロシア、南半などを廻って、世界を見てきたが、どこの国にもお菓子はあったように思う。
 お菓子もまた立派な食文化である。
 人は食事の間にも、何か食べたいのである。


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