栗の木エッセー作品9
2008年12月13日
本年春に創業二百年を記念して募集しました「栗の木エッセー賞」のご応募総数830編のうち、計13作品を連載でご紹介いたします。
独自に持つ「お菓子」への思いがたくさん詰まっています。
どうぞご覧下さい。
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無花果と林檎(名付けてアダムとイヴ)
青森県 山本紀久 様
「もうそろそろ来る頃だなと思ってたのよ」
「おじいちゃん、大好きだった※きやの」 ※きやの…でしたね
暑さも少々和いだ時季、決って友人と交す挨拶です。三百年近く続いている国重文、高橋家十三代当主完造翁が逝去して数年。いちじくの甘露煮が大好きで、凛として近づき難い方でしたが、いちじくの甘露煮をさしあげると、満面の笑み零れ、可愛いおじいちゃんになるのです。今は毎年仏前にお供えしています。
我家の庭に無花果の木が一本あります。食べ頃になると、小鳥、蜂、蟻が集まります。熟す一歩手前、実が割れ始めそうだなという時に採り、甘露煮を作ります。主人は、心臓に良いとかで生で食べてます。本格的なお菓子はプロに任せて……。
いちじくの甘露煮と煮りんごが我家のお菓子として登場します。私の腕の見せ所?です。レシピは超簡単。てまひまかけ、気持をこめて作るとおいしく仕上ります。
「いちじくの甘露煮」
材料(好みの量で) いちじく、ザラメ、レモンの輪切り。
果実をよく洗い、酢を入れ一度茹でこぼす。ホーロー鍋に材料を入れとろ火でゆっくり焦げないように煮る。少々水も加えて。琥珀色になったら出来上がり。
「煮りんご」
材料(好みの量で) 紅玉のりんご、レモンの輪切り、干しブドウ、シナモン(お好みで)。
りんごをよく洗い、皮付きのまま八等分し、ホーロー鍋に敷きつめレモンの輪切りとレーズンを加え、とろ火で柔らかくなったら完成。
どちらも仕上げにほんの気持、塩をパラッと入れると甘味が引き締りいい按配になります。
私が黒石に嫁いで四五年、義母が亡くなって二〇年、いつも目分量で作っているのですが、やっと少しだけ義母の味に近づけたかな……。毎年、心待ちにしてくれる友人の為にも、がんばらなくちゃぁ。実が沢山生りますように。


