栗の木エッセー作品5
2008年12月01日
本年春に創業二百年を記念して募集しました「栗の木エッセー賞」のご応募総数830編のうち、計13作品を連載でご紹介いたします。
独自に持つ「お菓子」への思いがたくさん詰まっています。
どうぞご覧下さい。
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お菓子の思い出
長野県 中山利徳 様
『まめ板』
琥珀色の飴の中に白い地まめ(ピーナッツ)が入った長が四角の板を透明の紙で包んだ十円の菓子。始めは大事にペロペロなめるが、すぐにガリガリかじって食べ急ぐのが常だった。
初孫であった私は隣村の母の実家に度々一人で歩いて遊びに行った。中山晋平さんの生家の手前に「てるいさん」と呼ばれる店があり、小遣いを貰った時は必ず「まめ板」を買って食べた。小学校に入る前の頃で、五十銭、二宮尊徳の一円札、穴の無い五円も使えた。この習慣は小学校中学年まで続いたので、「まめ板」というあだ名で「よそ村の悪童」から呼ばれるほどだった。
当時は晋平さんのことを知らないで家の前を通り過ぎていたが、玄関脇の大きな紅葉の木と黒板塀越しに咲く大きな白木蓮を鮮明に覚えている。この話は家内や子供達にも伝えたので、見かけると買ってきてくれる。昔の丸々太った地まめで無いので味が若干違うのが残念だが、懐かしい味で有難い。
『雷おこしと羊羹』
●昔「おこし」は全国で作られていたが、噛むと歯にくっ付くのが難点であった。浅草でこれを解決して、噛むと「ガラガラ」と砕けたので「雷」おこしと名付けられた。
●美味い羊羹を作るには長い時間をかけて練る必要がある。練り方は、必ず一方向に練ることが必要である。この練り方によって、「キッチョン、キッチョン」した食感の良い美味い羊羹ができる。
高校に入って、機械製図の最初の授業時、年配の先生がいきなり菓子の話を始められたのでビックリ。今でも雷おこしと羊羹を見るとこの先生を思い出さずにはいられない。先生のニックネームは「キッチョン」。毎年、新入生にこの話をされたようだ。この高校は、中学の時と違って、先生も上級生も我々を対等な大人の扱いをする気風があり有難かった。


